肥えた羊の製造過程

現実逃避が趣味の社会人の、ライブや映画や舞台の備忘録

@中野MOMO

劇団ジーモ・コーヨ第7回公演
<LOVE DISTRICT~はるにユキの降るといふ~>

今回は初の恋愛モノだそうで。
自分はそういった方面の作品には殆ど食指が動かんのですが、
こうして友人・知人の関係で見ることはあります。
深い思い入れもないので感情移入できるかといえば恋愛観的にはナイんですが
今回のメインの子はなんか愛しかった。
あの意地っ張り具合がなんとも。

劇中に出てくる、「春の雪」の詩が印象的。
「春の雪」といえば「さくら」ぐらいしか連想できん、という予想通りに
すばりなんですが(´∀`;)
ラストに舞台上のみならず、客席にも降るさくらに おお!と思った。
若干降り方が微妙だったかも…。仕方ないやね。。。


個人的には「自分を忘れないで」「絶対に忘れない」という言葉が好きじゃない。

一時期、【どうやって自分の痕跡を残さずに人生を終えられるか】を考えた時期があった。
誰の記憶にも残りたくなかった。
外に対する拒否ではなく、自己否定。
死にたいのではなく、消えたかった。こんな自分は存在しなかったと思いたかった。

この年にもなればすでに鬼籍に入っている知人・友人も数人いたりする。
親戚の集まりの中で、
「何も無ければ確実にこの人たちは自分より先にいなくなる。自分は見送る側なんだ」と
ふと闇に包まれることがある。

死別の一番の罪は、
その人が思い出になることではない。
共に在る未来を奪われることだ。

そして、消えていく記憶は
進みゆく新しい時間に場所を明け渡す
優しい想いである。

だからこそ故人へは明るさを返し、笑い声で見送る。
時々、ふと思い出すことがある。
それくらいの付き合い方で、たまに語りかける。

どうしたって、全てを記憶したままではいられないのだから。